2015年より省エネ住宅に住み始めました
冬の快適さを求めてマンションから戸建て住宅へ
マンションは戸建て住宅より暖かいと言われます。マンション暮らしで、かつ、兵庫県の阪神地域という比較的温暖なエリアなので、冬の寒さはそれほど厳しくないはずです。でも、歳をとるにつれ、年々、寒さがつらくなってきました。特に、足元のフローリングの冷たさが耐えられなくなりました。交通の便も最高に良く、生協も近くにあるなど暮らしやすい住環境だったのですが、このままマンションで生涯過ごしたくない、暖かく快適に暮らせる家を建てたいという思いが強くなり、2013年に土地探しを始めました。残念ながら、阪神地域は土地が高く便利な都会暮らしをあきらめざるをえません。結局、購入できた土地は、いわゆる郊外で阪神地域より明らかに寒さが厳しいところでした。土地の広さは、約60坪です。
家の建築は神戸市の工務店と契約しました。我が家は家内と二人暮らしなので小さい家で十分です。「冬暖かく快適に暮らせる家」を最大の目標としました。北海道の住宅は断熱性能が良く、冬にストーブやパネルヒーター等の暖房をガンガンにいれ、家の中では半袖Tシャツ一枚で過ごしアイスクリームを食べるという話を聞いたことがあります。私が望むのは、そのような暖かさではありません。ダウンベストなど冬用の厚手の服を着た状態で寒さや足元の冷えをほとんど感じない、そして、朝に布団からでるのが苦痛ではなく容易に起きることができるような身体に優しい暖かさで、室温が20℃程度です。
さらに、老後のことを考えると、光熱費はできるだけ安いにこしたことはなく暖房費があまりかからない家を目指しました。具体的には冬の光熱費を月額5千円以内で抑えたいです。床暖房は気持ち良いと聞きますが、普通の床暖房は電気やガス代が月に一万円以上かかるようなので採用しませんでした。
工務店との打ち合わせの結果、窓は樹脂製サッシのトリプルガラスで断熱材はフェノバボードを使用するなど断熱性能をとことん高め、さらに、屋根で集めた太陽熱を給湯や暖房に利用する「OMソーラーシステム」を導入することにしました。ありがたいことに「ネット・ゼロ・エネルギー(ZEH)住宅」、「木材利用ポイント」、「HEMS」の補助金ももらえることになり、2014年8月に着工し、2015年2月に念願の新居に引っ越しすることができました。ちょうど50歳の誕生日を迎える年でした。
2016年3月の1階と2階の室温
3月の1日と2日は外気温が低く、エアコンで暖房していましたが、平均室温は20℃を下回っていました。あとはほぼ20℃以上といってもよいでしょう。
太陽熱の暖房なので、外気温と日射量に依存して、室温が変化します。
(自然エネルギー利用のため、ずっと一定というわけではありません)
3月の1か月間の平均は、
1階が21.6℃、2階が21.5℃です。
OMソーラーの暖房がよく効いて、なかなか快適に過ごすことができました。
OMソーラーの画面(1月4日16:00時点)
晴れた日はOMソーラーが動作します。
1階室温が24℃、2階室温が23℃
お湯の温度は33℃、外気温は15℃
(棟温度は33℃にまで下がりました。最高は52℃)
家中ポカポカで気持ち良いです。太陽熱に感謝です。
快適な暮らしを数値で見る
ある冬の日
X月XX日(土)午前6時
目が覚めるとすぐに起き上がる。寒さを感じないため布団から容易にでることができありがたい。服を一枚羽織って2階の寝室から1階におりる。リビングの壁に設置された「OMタッチリモコンパネル」にタッチすると画面が表示される。そこには7つの温度が表示されている。朝起きた時に気になるのは4つの温度。すなわち、外気温、1階室温、2階室温、貯湯槽のお湯温度である。今日現在の外気温はマイナス1℃。最近は、ほぼ毎日朝には氷点下となっている。ここは以前に住んでいた阪神地域より冬は5℃も寒い。それでも1階の室温は21℃。寝室のある2階の温度も21℃。ちょうど寒くないといった感じ。昨日の22時の時点で22℃だったので、夜の間に1℃低下したことになる。貯湯タンクのお湯温度は28℃。昨日の太陽熱で暖められたお湯である。給湯器のスイッチはオフにしているが、洗面所の赤いほうの蛇口をひねるとほんのりと温かいお湯がでてくる。ほどよい温度のお湯で顔を洗う。冷え性なので手が冷たくならないのがありがたい。
ダイニングテーブルにある椅子に座ってノートパソコンを触る。冬というのに、玄関を除いて、家中どこもほぼ同じ温度で寒い場所がない。ただ、決して暖かいというわけではない。ひざ掛けはあったほうがよい。また、床の無垢の杉板は冷たく感じないが、スリッパをはいたほうが安心する。妻はスリッパなしで過ごすことが多い。
パソコンで毎朝、確認するのは昨日からの温度推移や使用エネルギーなど。昨日の昼間は晴れたため、太陽熱による暖房がよく効いており1階も2階も最高で24℃を記録していた。太陽熱でポカポカだった。使用エネルギーは電気が5.0kWh。ガスが0.7立方メートル。先ほどタッチしたリビングの壁の「OMタッチリモコン」と同じ画面をパソコンからみることもできる。
天気予報を見る。今日も晴れそうだ。晴れると太陽熱による無料の全館暖房が動いてくれるのでうれしい。
午前11時
1階のダイニングテーブルそばにある南側の掃出し窓のカーテンをあけると太陽の光が入る。外気温は7℃にもかかわらず、この時間になると屋根が十分に熱くなり、太陽熱がどんどん棟ダクトに集められる。2階機械室にあるOMソーラーのファンが動き出す音が聞こえ、床下暖房が開始する。この時の棟ダクト温度は40℃。棟ダクトから暖かい空気がファンにより床下に送られる。床下の基礎断熱のコンクリート全体を暖め、1階床に設けられた10箇所の吹き出し口を通して空気が1階室内に流れてくる。ゆっくり床下コンクリートを蓄熱しながら、部屋全体も温めてくれる。
同時に室内の換気がはじまる。OMソーラーは暖房しながら換気するのが大きな特徴。第2種換気であり、新鮮な暖かい空気を室内に取り込むと同時に汚れた空気を排気口から排出する。室内空気の汚染状況の目安となるCO2濃度が1000ppmを超えていたのが、30分もすれば400ppmにまで下がる。
さらに、部屋を暖房しながら、貯湯槽のお湯の温度も上げてくれる。夏にはお湯の温度は70℃にもなるが、冬は暖房を優先するため、せいぜい30℃になるのが限界だ。
午後1時
棟ダクト温度は60℃になっている。この時の室温は1階が24℃、2階が23℃。リビングの床が暖かいのがはっきりとわかる。冷え性の私は足下が暖かいのが本当にうれしい。床が一番暖かくなる場所はリビングと洗面所。リビングだけでなく、北側にある洗面所が一番ポカポカしているのには驚く。OMダクトの近くにあるためだがこれは想定外のうれしさだ。窓からの光は明るく、「毎日の洗濯が楽」と妻が言ってくれる。
午後4時
この時間になると棟ダクト温度が下がってくる。30℃にまで下がるとOMソーラーのファンは、動作を停止する。あとは、床下のコンクリートに蓄熱された熱が部屋を継続的に暖めてくれる。室温が24℃と暖かいのに加え、なにより足元が暖かいのは快適に感じる。
午後7時
室温は23℃。洗面所の暖かさは夜まで持続しており、入浴時の脱衣の際にヒートショックがない。脱衣所とトイレを暖かくするのは長生きの秘訣だ。
午前2時
室温が20℃にまで下がっている。1階エアコンをタイマーで起動する。設定温度は21℃。夜の間に温度が20℃以下にならないようにしている。晴れた日の暖房代は、深夜から早朝に動作させるエアコンの1日50円程度で済む。曇りの日は、夜にもエアコンを動作させるため150円程度必要となる。
室温の推移
上記のOMソーラーとは別の温度計による1月4日の室温の推移です。
上段が2階で下段が1階の温度です。
赤線は、21℃のラインです。
全館暖房のため、1階、2階ともほぼ同じ室温です。
午前3時にタイマーで1階エアコンをオンにしました。9時にエアコンのスイッチをオフにしました。エアコン稼働時間は6時間です。エアコンの使用電力量は、2.4kWhでした。
11時頃からOMソーラーが稼働し、室温が上昇していきます。
16時過ぎから少しずつ室温が下がっていきますが、午前0時の時点でも、22℃程度を維持できています。
湿度の推移
1月4日の湿度の推移です。
上段が2階で下段が1階の湿度です。緑色の線は、50%のラインです。
2階の湿度は、OMソーラーが稼働すると下がり、日中が48%です。夜間と午前は53%です。
1階の湿度は、OMソーラーが稼働すると下がり、日中が45%です。夜間と午前は48%です。
我が家では加湿器は購入していません。
使用電力量・発電量等
PanasonicのスマートHEMSの「積算 電気」の画面です。
買電量、発電量、売電量、使用電力量が表示されます。
1月4日の買電量は4.9kWh、発電量は12.6kWh、売電量は11.5kWh、使用電力量は5.1kWhでした。